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地方創生事業 vol.2 現役東大生ライター西岡壱誠の見解 ~ここがすごいよ波佐見町!!〜

AGRI SMILEでは、前回の記事で紹介したように地方の魅力を伝える活動の一貫として、長崎県の波佐見町で、東大生・京大生を中心としたワークショップを行います。今回はその中心メンバーとして活動してくれているAGRI SMILEインターン生 西岡壱誠さんの視点から波佐見町の魅力を伝えていきたいと思います。

 

西岡 壱誠とは?

 

東京大学経済学部3年生。北海道札幌市出身。東大では地域経済について勉強中。

「ふるさとグローバルプロデューサー」として地方経済の魅力を外部に発信する活動をする傍ら、総務省の「ふるさとワーキングホリデー」で様々な地域を巡る。

ライターとしても活動しており、著書「東大読書」は13万部を突破した。

 

波佐見焼が素晴らしすぎたので記事にしてみた

 

こんにちは!東大三年生の西岡です。

今日は、「焼き物」に全く詳しくない僕が感動した「波佐見焼」についてご紹介させてください!

 

・陶器?磁器?

恥ずかしながら僕は、「焼き物」について全く知識がありませんでした。

「有田焼?ああ、なんか聞いたことあるな」

「しがらき焼き?どういう漢字書くの??」

「陶器と……磁器?それって、何が違うの?」

そんなレベルで焼き物を知らない僕だったのですが、友達と旅行に行った波佐見でびっくり!

 

 

「え??これが焼き物?」

「めっちゃオシャレでキレイじゃん!」

 

普通「焼き物」というと、色合いが黒かこげ茶色で、形も決まっていて、なんとなくジジくさいイメージがあるのではないでしょうか。事実、僕もそうでした。

でも、波佐見焼はこんなに色鮮やかで、こんなにオシャレなのです。

 

事実、僕が波佐見焼のお店に入った時、お店の中は超満員!お店の外まで並ばなければならないほどに人で溢れかえっていました。お客さんを見ていても、おじいさんおばあさんではなく、若い女性が多く買いに来ていたのです。

中には、こんなデザインのものも……

 

 

カラフルなものもあれば、北欧的なものもある。イラストが載っていたり、器以外のインテリアチックなものもある。これで400年の歴史がある焼き物だというのですから驚きです。

 

「波佐見焼……すごいな!」

そう思った僕は、波佐見焼について色々調べてみることにしました。

 

波佐見焼とは?

まず、波佐見焼とは一体なんなのか?

波佐見焼は、長崎県波佐見町で作られている、400年の歴史がある「磁器」なのだそうです。

「じ、磁器……?」

という僕のような人に説明しておくと、磁器は石を砕いて粉末状にしたものから作られるもののことです。陶器が粘土を材料にして作られているのに対して、磁器は石。なので磁器は、陶器よりも粒の大きさが大きいのです。

「え?それって何か違いがあるの?」

「それによってどういう違いが生まれるの?」

と疑問に思う方も多いと思います。(僕も初めて聞いた時は全然わかりませんでした……)

 

実は粒が大きい方が、 透明感が生まれ、光を通しやすくなるのです。イメージするとわかりやすいのですが、粒が大きい方が、粒と粒の間に隙間が生まれやすい。だから、光も通すし透明感も生まれる。給水せず、水を弾くのです。

だから、実際に光に当てると、透けて見えます。↓の画像みたいに、光にキレイに映えるのです。

実際に見てみるととてもキレイなので、是非みなさんも試してみてください!

 

そして、磁器の特徴として、白を基調とした色合いを使うことが多いのだそうです。キレイな白が下地だから、その上に絵などを書きやすいのですね。

 

・波佐見焼はなんでモダンなの?

しかし、どうして波佐見焼はこんなにデザイン性に富んだ絵やモダンで若者を惹きつけるデザインができるのでしょうか?そこには、波佐見という地域だからこそできることがありました。

 

通常であれば、「焼き物」と聞いて想像するのは、その地域の伝統や技術を守っているひとりのお堅い職人さんが、長年の経験に裏打ちされた職人技で作っているイメージではないでしょうか。しかし実は、波佐見焼はそういう作り方はしていません。一つの焼き物を作るのに、分業でさまざまな人が波佐見焼作りに携わっているのです。

 

例えばまずは、波佐見焼は「型」を作ります。石膏を流し込む「器の型」を作る人がいるのです。そしてそれを元に生地を作る人がいて、その生地を焼いて商品の形まで持って行く人、デザインを考える人、商社として波佐見焼を売る人もいる……。そんな、波佐見の人が一丸となって作られているのが波佐見焼なのです。

 

普通なら、一つの伝統や特徴を守って作られるのが「焼き物」などの伝統的な工芸品だと思います。しかし、波佐見焼には「これを守らなければならない!」みたいな特徴はないそうです。400年もの歴史があるけれど、そこに「これじゃなきゃ波佐見焼じゃない!」というような掟はない。だからこそ、今の時代にあった、若者のニーズにあった商品を作ることができるのです。

 

・波佐見焼は、地域性にも合っている?

さて、もう少し波佐見焼の「モダンさ」の秘密に迫ってみましょう。

波佐見焼の素晴らしさの源泉は、波佐見という地域の特性にありました。僕は実際に波佐見に行ってみて、それを知りました。

波佐見の人ってみんなオープンで、外の人を迎え入れる感じのある人ばかりなんです。縁もゆかりもない僕のことを、波佐見の方々は暖かく迎え入れてくれました。どこに行っても挨拶をしてくれるし、楽しくお話をしてくださる。

そういう、「外の人を受け入れる文化」があるのが波佐見なのです。

 

そしてその文化がうまく組み合わさってできたのが波佐見焼なのかもしれないと感じました。先程「分業」によって波佐見焼が作られていることをお話ししましたが、その分業も波佐見の人だけで完結しているわけではありません。例えば波佐見には色々なデザイナーの方がいらっしゃいますが、その多くは波佐見出身の方というわけではないみたいです。違う地域出身だけど、波佐見に来て波佐見焼のデザインをしている方が多い。しかも、年齢層として若く、女性も多い。

 

さらに、観光客などの「外から来る人が多い」というのは、そのまま「需要をうまく知ることができる」ということにもなります。今の若い人が何を「いい」というのかというのは、都会に行かないとなかなか知ることができません。しかしそれを、観光客などの外の人から教えてもらうことができる。そういうニーズの把握ができるところにも、波佐見焼の強さがあるのではないでしょうか。

よく、「変革を起こすのは、余所者・若者・馬鹿者だ」と言いますが、外から来た才能ある若い人が波佐見焼のデザインをして、外から来た人がニーズを教えて、しかもそれを波佐見の人もそれを暖かく迎え入れているところに、波佐見焼の「モダンさ」の源泉があるのではないでしょうか。

 

・波佐見は、アートな町

それに加えて、波佐見ってめちゃくちゃキレイなんです。

見てください、この棚田!

日本の棚田100選にも選ばれたこの美しい棚田。空気もキレイで風景もキレイ。ご飯も美味しいし人も優しい。そんな最高の環境が揃っているのが、波佐見なのです。

「たしかにここにいたら、キレイなデザインとか思い付きそう……!」

 

そう思わせるほどのアートな空気感があったのがこの波佐見でした。

大きくて美しい「窯」がある野外博物館「世界の窯広場」。ヨーロッパから東洋まで、世界中の窯を展示してその歴史が学べるここにしかない博物館になっています。野外にある、というのもいいですよね!
また、この波佐見は自然の美しさの他にも、デザイン性に富んだ建物や場所が多く存在しました。

 

インスタ映えするご飯が非常に美味しいです!波佐見にはこんな風に、オシャレなレストランが数多く存在します。その中には波佐見焼を使っているお店もあったりして、店内も食事もすべてがデザイン性に富んでいるのです。

 

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波佐見焼の皿とガパオライス

 

アーティスティックで外の人が訪れやすい地域、波佐見町。この地域だからこそ、波佐見焼のような今の若者の心を掴む伝統工芸が作られ続けているのかもしれませんね。

なお余談ですが、12月の波佐見町訪問に向けて着々と準備をしているところです!

次回の更新もお楽しみにー!